弊社代表取締役 岡本士郎の最新刊
『あたりまえだけどなかなかできない集客のルール』に、
惜しくも収録されなかった「ボツ原稿」を掲載しています。
もちろん書籍に採用されたルールは、これらボツ原稿より「有益なもの」ばかりですが、
お楽しみ企画として、本サイトでのみ特別公開していますのでご一読ください。
番外ルール104「CGMって食べられるの?」
CGM(Consumer Generated Media)という用語があります。要は「インターネット上の口コミ」や「それを扱うサイト」のことですが、その集合体が情報発信源として大きく発展し、まるでマスコミ、メディアのような影響力を持ったことから、注目されるようになりました。 実際、インターネットの口コミで高評価を得られれば集客につながります。また逆に、いったん悪評が立てば、次々にその情報がコピーされてインターネットに広がり、とたんに客足がばったり、などということもあるでしょう。
そこで、これをコントロールして良い方向につなげようというのがCGMマーケティングなどと言われる手法です────が、本当にこんなことが出来るでしょうか。
今までの口コミは、本当の意味でフェーストゥフェースの「井戸端会議」だったので、そこに参加できない限りは、私たちがどう思われているか分かりませんでした。ところがインターネットの口コミは、やり取りの記録が残るので、その内容を知ることが出来ます。それを「CGM」とマーケティング関係者が大好きな「3文字略語」にしたものですから、素晴らしい発見のように扱われていますが、つまりは「井戸端会議に介入しよう」ということです。
それはまるで、道端で主婦3人がおしゃべりしている場に、見知らぬ男性が近づいて行って、
「あそこのケーキは美味しいですよね」と言い残して去っていくような、不自然さです。
また、インターネット上で横行している自作自演行為は、はっきり言ってすぐにバレます。 とあるお店のネット口コミでは、こんなことがありました。口コミを1回投稿するごとに個人認証を変え(使い捨てアカウントと言います)、多数の人間を装って「すごく美味かった!」「最高!」など、中身のない一行感想をずら~り。お店の人が自分でやっているのでしょうが、もはや気持ち悪いだけです。
いくつかの企業には、CGMマーケティング専門の部署があります。しかし少なからずの企業が、その手法を暴かれ、インターネットを悪用したとして「晒し者」となってきました。しかも、その多くはインターネット関連の、いわば専門企業だったのです。
CGMをコントロールすることは、大多数が参加するインターネットに、少数で挑むという危険な行為です。それでも私たちは、このCGMの料理に挑戦してみるべきでしょうか?